◆『デジタルツイン』とは?基本知識、メタバースとの違い、メリット・デメリットについて解説◆
みなさん、こんにちは!
今回は「デジタルツイン」についてご紹介致します。デジタルツインという言葉を初めて目にする方、デジタルツインという言葉は知っているけれど・・・といった方にも、今更聞けない『デジタルツイン』についての基礎知識や、混同されがちな『メタバース』との違いについて解説していきますので、是非最後まで御覧ください。
デジタルツインとは
そもそもデジタルツインとはどのようなものを指すのでしょうか?
一言でいうと、「現実空間をコンピューターの中にコピーしたもの」です。現実世界の物体やシステムをデジタル化し、仮想空間でその動作を再現する技術のことを指します。例えば、実際にある工場や施設などの建築物、さらには都市を丸ごと…など、リアルな空間をデジタルの世界で模擬的に再現し、現実空間をシュミレートすることができます。このことから、デジタルツインは現実の世界を反映したミラーワールドとも考えることができます。このミラーワールドでさまざまなシミュレーションを行うことで、実際の空間で物体がどのように動作するかを予測したり、問題点を見つけて改善することが可能となります。例えば、工場のとある装置の状態をデジタルツイン上で継続的に監視すれば、故障の前兆がない場合はメンテナンス回数を減らし、効率的な運用を可能にする、といったことが実現できます。長期的な目線で見れば、製品のライフサイクル全体を通じて、設計の変更や改善を行うといったことも容易になります。デジタルツインの概念は、製造業だけでなく、建設、医療、運輸、エネルギーなどのさまざまな業界で採用されています。その背後には、効率的な意思決定、リスクの軽減、そしてコスト削減という利点があります。
デジタルツインとメタバースの違い
デジタルツインとメタバースの違いは何でしょうか?
デジタルツインとメタバースは、ともに仮想空間と現実世界を結びつけるテクノロジーという点は共通していますが、その内容や目的は異なります。デジタルツインは、実空間との連動が前提になっています。そのため、現実世界からかけ離れた空間にはなりません。主に産業界で利用され、現実と同様な同様の環境での高度なシミュレーションを行ったり、物体やシステムのパフォーマンスを改善するために使用されます。例えば、ある企業が新しいエンジンを開発しているとします。この際にデジタルツインを使用すれば、エンジンを物理的に製造する前に、その性能や効率、耐久性などをテストすることができます。このように、現実をシュミレートするという点がデジタルツインの大きな特徴になります。一方、メタバースは、人々が集まり、互いにコミュニケーションを取ったり、仮想的な活動を行ったりすることを目的とした仮想世界を指します。メタバースは仮想空間であり、必ずしも現実空間と同じ空間である必要はありません。現実に存在しないような仮想空間もメタバースと言えます。メタバースは、人とのコミュニケーションツールである、という側面が強いものです。をゲームやソーシャルメディア、バーチャルリアリティ(VR)など、さまざまな形で存在していますが、デジタルツインとは概念そのものが違うものになります。
デジタルツインのメリット/デメリット
メリット
現実世界での試行錯誤を大幅に減らし、コストと時間を節約することができます。具体例を挙げますと、製品の設計段階でデジタルツインを使用すれば、生産前に製品の性能をテストし、改善する、ということが可能となります。それにより、製品設計・製造・運用・保守・そしてリサイクルに至るまでの各段階のパフォーマンスを改善することが可能となります。デジタルツインによって、設計の問題点が早期に発見される事により、設計の見直しや改良が可能となり、結果としてリスクの軽減やコスト削減といった製品の品質の向上も見込まれます。
デメリット
デジタルツインの作成は初期投資が多く、専門的な知識と高度な技術を要する点です。膨大な量のデータを処理し、管理する能力も必要となるため、設立と運用には費用と時間がかかる可能性があります。また、デジタルツインの導入と運用には課題も多く、データ管理やセキュリティが問題となってきます。これらを解決するためには専門的なスキルとリソースが必要となります。
いかがでしたか?
次回はデジタルツインの活用方法やDX推進との関係性等についての記事を掲載予定ですので、お楽しみに!