◆VRをビジネスに活用するメリットとは?VRの特性を生かした企業の導入事例から見る効果的な活用方法

  Oct. 9th, 2021  

VR会議やVR展示会のほか、企業研修や教育などビジネスの分野においてもVRの存在感は日増しに大きくなっています。業務の効率化を図るうえで大きなメリットを持つVRですが、メリットはそれだけではありません。そこで今回は、VRの概要、ARやMRなどほかのXR技術との違いを見つつ、VRのメリットとデメリットについてビジネス活用事例を交えてお伝えします。

VRのビジネス活用で得られるメリット

VRをビジネスに活用するうえで得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、ほかのXR技術と対比をしながらVRのビジネス活用で得られるメリットを説明します。

没入感を得られるため研修や教育で高い効果が期待できる

VRの特徴として、360度、仮想空間への没入を可能にする点が挙げられます。ほかのXR技術に比べ没入感が強いのは大きなメリットといえるでしょう。このメリットを生かせば、社員研修や教育において高い効果が期待できます。

現実には難しい研修も行える

VRの2つめのメリットは、物理的制約がない点です。困難な手術や高所での工事、災害発生時のシミュレーションなどは、現実の世界で研修を行うことは簡単ではありません。しかし、VRを活用すれば、物理的制約がなく、どのようなシチュエーションも再現可能です。そのため、さまざまな研修やシミュレーションが比較的容易に行えます。

VRだからこそできる”実体験を上回る”安全体感教育についてはこちら→「VRだからこそ、これまでできなかった安全教育を実現

遠隔地からも気軽に参加可能

VRはヘッドセットやヘッドマウントディスプレイ、そして通信環境と映像を映し出すソフトがあれば、いつどこにいても同じ体験が可能です。そのため、遠隔地にいながらも会議や展示会などに、その場にいるような感覚で参加できます。 これにより、移動にかかる手間やコストの削減、さまざまな事情で移動が難しい方の参加が可能になるのもVRを活用する大きなメリットです。

VRのビジネス活用で生じるデメリット

まだまだ新しい技術であるVR。少なからずデメリットもあり、具体的には次のようなものが挙げられます。

VR導入・運用コストがかかる

すでにさまざまなシーンでVRの導入は進んでいますが、まだ新しい技術であるため、導入・運用には一定のコストがかかります。特に自社オリジナルのものを制作しようとすれば、開発や試験に多大なコストがかかってしまうのはVR活用のデメリットといえるでしょう。

人によって向き不向きがある

VRは基本的にゴーグルやヘッドマウントディスプレイを装着して行います。そのため、「レンズの焦点が合っていない」「コントローラーを使った際、実際の体の動きとVRのなかでの体の動きがずれる」などの理由で酔ってしまう方も少なくありません。

経営層の理解が得られない場合がある

VRというと現時点ではゲームや映画を見るものといったイメージも強く、実際に研修や遠隔操作が行えるのかと効果に疑問を持つ経営層はまだまだ多いようです。そのため、現場では導入したい意思があったとしても、経営層の理解が得られずに導入に至らないといったこともデメリットといえるでしょう。

企業のVR導入事例

企業がVRをビジネス活用するうえでのメリットとデメリットを見てきました。VRの市場規模は年々増加傾向にあり、今後もさまざまな業界でビジネス活用が進んでいくでしょう。ここではすでにVRを導入している企業の事例をいくつかご紹介します。

VRを活用した顧客対応トレーニング

アメリカの大手スーパーマーケットチェーン、ウォルマートでは、2018年9月に17,000台の一体型VRヘッドセットを導入。セール時の顧客対応やマネジメント、倉庫作業などさまざまな業務について、VRでのトレーニングを実施しました。

座学だけでは得られない実践的なトレーニングにより、ほかのトレーニング方法に比べ70%の従業員が高いパフォーマンスを示すという結果を出しています。

物流センターや工場での作業研修をVRで実現

ドイツの自動車メーカー、アウディでは、2017年8月、従業員の研修にVRを導入することを発表。従業員が物流センターや工場での作業を、コントローラーを用いて現実的なシミュレーションを行えるようにしました。

世界各国に工場を持つアウディでは、VRの特徴を生かし、ドイツにいながらメキシコにある工場での作業研修を行ったり、メキシコにいながらドイツにある物流センターでの作業研修を行ったりといったことも実現。これにより、従業員のモチベーションアップや、研修を行うスペース、時間、コストの節約につながるとしています。

VRを活用し、体験型のイベントを開催

VRは社内研修や危険地域での作業だけではなく、顧客に対するサービスとしての活用も可能です。神戸市にある須磨海浜水族園では、開業60周年記念として、VRを活用した体験型イベントを開催しました。

具体的には、「VRによって再現された海中でお客様が手を動かして魚を集めるゲーム」「360度カメラで撮影した水槽の映像をVRで体験」の2つです。どちらも子どもだけではなく大人も楽しめると好評を博し、園内の活性化に加え、新たなファン層の獲得も実現しました。

建設現場を中心とした作業の教育システムとしてVRを導入

総合建設会社、株式会社大林組では、施工管理技術の習得手段としてVRを活用しています。従来体験型の研修を行ってきましたが、鉄筋や型枠を組んだ教育用のモックアップでは、常に不具合箇所が一定で複数回のシミュレーションには向きませんでした。また、モックアップ構築や組み替えには手間とコストもかかるため、VR導入を開始しました。

VRを導入した結果、「いつでもどこでも低コストで運用ができるようになった」「不具合箇所の設定も毎回短時間で変えられるため多様な教育カリキュラムが実現可能になった」「バーチャル空間とはいえ実際に手足を動かしての研修になるため、実践的なスキルをどこでも養えるようになった」などのメリットが生まれました。

チキンの揚げ方をVRゲームで研修

日本でも多くのファンを持つアメリカのファストフードチェーン、ケンタッキーフライドチキンでは、従業員がフライドチキンの揚げ方をゲームによって習得するVRコンテンツ開発を行いました。

具体的には、VRのなかにあるキッチンで、ロボットアームの手ほどきにより、鶏肉の扱い方や調理工程、道具の使い方などをゲーム形式で学んでいきます。このVRコンテンツにより、実際のキッチンでは25分かかる研修を10分で完了できるようになり、効率的な研修が実現しています。

VRのメリットを生かして効果的なビジネス活用を実現

VRはまだまだ発展中の技術であり、現在のメリットは今後さらに充実する一方、デメリットとされている部分についても改善されていくでしょう。そのため、デメリットを気にするよりもメリットに目を向け、自社の課題をいかにVRで解決していくかについて検討することが、VR活用の鍵といえます。

経営層が消極的な場合には、スモールスタートでまずは小さな成功体験を積み重ねていき、少しずつ理解者を増やしていきましょう。小さな成功事例も積み重なれば、いずれ大きな成果につながり、全社として取り組んでいけるようになります。今回紹介した事例を参考に、できるところから取り組んでみることをおすすめします。

VR導入についてはこちら→「XR(VR/AR/MR)でビジネスの未来を切り拓く

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